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相続放棄が大変なことに!

さてさて、斯様な繁忙期であっても、債務整理の相談は続々と舞い込んで来る。以前から電話で対応をしているMさん。負債を負っていたご主人の債務はなんとか解決したのだが、相続による所有権移転登記と返済した貸金に係る根抵当権の抹消作業が残った。負債を相続する事を嫌い、二人の息子さんは早々と相続放棄の手続きをすませていたのだが、第三順位となる被相続人の兄弟姉妹の合意を得る事に難航している様子。被相続人と兄との関係が非常にまずいものだったらしく、遺産分割に合意しないとの事だ。


負債を相続したくない場合、相続放棄をする事は間違いではない。但し、相続を放棄した場合、負の財産ばかりか正の財産も次順位相続人に移転する事を忘れてはならない。今回の場合、兄弟姉妹の相続放棄手続きをする事なく負債の返済をしてしまったものだから、不動産の所有権までもが兄弟姉妹に移ってしまっている。次順位の相続人との間柄が決して良好と云えない場合は注意が必要だ。

Mさんは、息子さんがインターネットで得られた情報を元に斯様な手続きをとられたのだが、詰めを逸したようだ。高齢のMさんにとって任意整理や個人再生は返済原資の確認が取れない。年金を返済原資とする事もできない。かといって自己破産をしてしまえば、住処を失う。親類の援助で負債を清算できたのは幸いなのだが、厄介な問題が残った事になる。この手の問題を放置しておく事はあまりお勧めできないので、少々骨の折れる作業となるが、Mさんが満足を得る結果となるよう精一杯のサポートをしていく事としよう。


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所有権留保物件の処理

債務整理をする上で、欠かすことのできない大前提に「債権者平等の原則」というものがある。特定の債権者に便宜を図ってはならないという取扱いだが、任意整理の場合はこの原則も緩やかに解することも可能だ。債務整理の対象から特定の債権者を、例えば低金利のクレジットカードや自動車ローン等、除外して任意整理を行うことがある。最もこの場合、一旦債務整理をしても、再び支払いに窮する事が多いので、かなり綿密に返済計画を話し合うこととなる。「希望を叶えるためには、やらなきゃならない事がある」と考えればわかり易い。

一方でこの大原則は、裁判所を介して行う債務整理、例えば自己破産や小規模個人再生、の場合は厳密に介する必要がある。当然、低金利のクレジットカードを除外した形での申立はできないし、所有権留保付きの自家用車を保有したいがために、自動車ローン債権だけを弁済する事はできない。このような場合、自己破産の場合は免責不許可事由に該当し、小規模個人再生の場合は不正な目的のための申立となり再生計画不認可の事由に該当するおそれがある。

さてさて、では所有権留保付きの自動車を保有したまま自己破産や小規模個人再生の手続きはできないのだろうか?

この場合、保証人が付されているなら保証人に継続して支払いを続けてもらえばよい。債権者と話し合い、保証人に債務を引き継いで貰うことになる。そうすると、今度は保証人が債権者となるが、目的を所有権留保付き自家用車の保有に絞るとすれば、これで目的は達成できる。財産目録上の評価額や精算価値に注意を要することは勿論、保証人との間柄も良好に保つための工夫を忘れてはならない。保証人が付されていないなら、第三者に弁済をしてもらうという方法もある。弁済した第三者が債権者の立場となることは変わりなく、その他の注意点も同様。

小規模個人再生の申立を検討中のNさん。自家用車の保有に拘っている。1年半前に新車の軽自動車をフルローンで購入。残債は80万円程残る。看護士をしており、勤務時間が不規則なため通勤の途に自家用車が必要との事であるが・・・。80万円の資金が用意できるのであれば、例えば3年落ち若しくは5年落ちの中古車ならばより廉価で購入できる。現車を債権者に返還し、たとえ残債務が残ったとしても、小規模個人再生を利用する限り、毎月の返済額に変更はない。金銭の損得だけを考えれば、より有利な方法を選択すると思うのだが・・・。どうも人とのシガラミがある様子。さてさて、どういったアドバイスが最適なんだろうか?

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